不動産投資を検討中の方から、
「将来、自分で住むつもりの物件を不動産投資用に買いたい」
という相談を頂く事があります。
この相談には、いくつかのパターンがありますが、今日は、その中でも、
「今は住む所があるので不要だが、将来、自分が住む所が必要になる予定なので、とりあえず不動産を買って運用しておき、将来、その物件に住む予定である」
といった前提での相談について取り上げてみようと思います。
このようなお考えで投資用不動産をお探しになる事情自体は、もちろん、理解はできます。
ただ、結論から申し上げれば、「そのような考え方で投資用不動産を探すのは、あまりお勧めはできない」という事にはなります。
理由はいくつかあるのですが、まず、「自分が住みたいと思った時に住める保証がない」という問題点があります。
日本の法律上、入居者に対して、簡単に、「自分が住むから出て行ってくれ」とは言えません。
この為、「自分が必要とする時に、その物件に住めない」といったリスクがあるのです。
特に、既に入居者がいる物件の場合、その入居者が自分の寿命よりも長く住み続ける可能性すらあります。
ですから、その物件には、一生、入居できない可能性すらあるのです。
ちなみに、「立ち退き料さえ支払えば出て行って貰えるだろう」とはお考えにならない事をお勧めします。
また、「自分が住みたい物件を探す条件が投資用としてはお勧めできないものであるケースは多い」という問題点もあります。
この為、「二兎追うものは一兎も得ず」といった状態となる危険性があるのです。
ですので、自分が住む所は、その為だけに探す。
そして、投資用不動産は、その為だけに探す。
という事をお勧めする事になるケースは多いと言えます。
他にも、借入をする場合の条件の問題や維持管理の問題などもありますが、特に気をつけて頂きたいのは、この2点でしょうか。
ただ、例外的に、「そのような考え方で投資用不動産をお探しになるのも悪くないかもしれない」と判断できる場合もあります。
それは、「今、購入しておかないと購入できない可能性が高い物件に将来住みたいとお考えの方」の場合です。
この場合、多少のリスクやデメリットがある事を踏まえてでも、そのような考え方で購入されるのも良いかもしれません。
ただ、その場合でも、少しでも自分が問題なく入居できるように理解しておくべき事や準備しておくべき事がありますので、事前に詳しい人に相談して、十分な検討を行った上で購入される事をお勧めします。
相談される相手がいらっしゃらない場合には、当センターの相談サービスの活用もご検討下さい。