不動産投資をお考えの方から、
「REIT(不動産投資信託)への投資」
についての相談を頂く事があります。
REITとは、「Real Estate Investment Trust」の略で、日本語では「不動産投資信託」の事です。「リート」と発音します。不動産に投資する投資信託(多くの投資家からお金を集め、投資する商品)です。
REITにも様々な銘柄(商品)がありますので、実際に投資する場合には、自分が投資する銘柄を選ばないといけません。
ただ、株や債権に投資する投資信託と同じように購入できますので、多くの不動産投資よりは手軽と言えるでしょう。
また、具体的に投資する不動産を選ぶ必要もありませんので、不動産に関する知識がない投資家にとって取り組みやすいとも言えます。
このような理由から、不動産投資を始める初心者にREITを勧めるケースもあるようです。
では、不動産投資の初心者はREITから始めるべきなのでしょうか。
様々な意見があると思いますが、これまで相談をお受けしてきた経験から申し上げれば、「不動産投資をやってみたいと考えている初心者に、REITはお勧めできない」と考えています。
理由は色々とありますが、一言で言えば、「REITでは、不動産投資を検討されている方が期待されている不動産投資のメリットがなくなるから」という事になります。
例えば、不動産投資を始めようとお考えの方に、「元本の安定性」を期待される方は多いと思いますが、REITは投資信託の一種ですから、価額は変動します。
実際、投資信託の仕組みを良く解っていない方に、REITの価額の推移のグラフをお見せすると、驚かれる事は少なくありません。
また、実際に投資する不動産について投資家が意思決定できる事は基本的にありませんし、継続保有した場合の収益も投資家とは関係ないところで決められます。
これらのREITの特長は、投資信託という仕組みで不動産に投資する以上、仕方がない事です。「投資信託を経由して不動産に投資する事によるメリットと表裏一旦の関係にある」とも言えるかもしれません。
これらの特長をご理解頂くと、不動産投資のメリットに関心を持たれている方の場合には、最終的に、REIT以外での不動産投資をお選びになる事が多いように思います。
なお、勘違いしないで頂きたいのですが、別に「REITがダメ」と言っている訳ではありません。
あくまで、「不動産投資のメリットに関心のある初心者」に対して、「初心者だから、まず、REITをやってみる」という考え方が、お勧めできないケースが多い、という事です。
この事は、十分にご理解下さい。
不動産投資には、様々な形態があります。REIT以外にも間接的に不動産に投資する方法はありますので、ご興味のある方は、詳しい方にご相談下さい。
相談相手がいらっしゃらない場合には、当センターでの相談もご検討下さい。